パッションフルーツの栽培に適した地域 奄美大島.1

パッションフルーツの栽培育成

パッションフルーツは毎年苗木を植え替えます。これは防除困難な病気があることと、若い樹は作業が楽でかつ果実品質が良く収量も多いためです。収穫は、植えつけてから1年以内に始まります。 苗木は挿し木で育成しますが、ウイルス病の発生地域からの苗の入手は避けなければなりません。又 パッションフルーツは、肥沃な土を好みますので、奄美大島の住用地区はパッションフルーツにとっては最適な場所といえます。

10月苗を定植 始まり

枝整理

先ずこの植物の生育温度はやはり熱帯植物だけあって20度以上が必要で、20度以下では本体の芽は成長しますが花芽がなかなか付きません。一番好む温度は20度~25度と言われています。20度を越えると盛んに着花して大きくなります。面白い事に一度20度を越えて花芽ができてるとその後また温度が下がっても15度以下にならない限り花は成長を続けますが、一時的にでも15度以下になると花芽は黄色くなり落ちてしまいます。ただ真夏の30度以上の環境では花芽があまり付きません。又あまり果実が多くなると花芽が着き難くなり、落花原因には水不足もあります。

11月~2月 つるの整理

枝整理

枝整理

特に果実の生育期間は、水を切らさないことが必要ですので、降水量が非常に多いこの地域にはピッタリなのです。ミネラルを多く含んだ山の水が沢山流れる為、一つ一つの果実も本当に大きく育たせる事ができ、金賞を受賞した理由が伺えます。そして、安定結実のためには人工受粉が必要なのですが、生育が旺盛なのでこまめな枝管理を行う必要があり、品質の高いパッションフルーツを栽培するのは本当に大変です。

3月~4月 開花~花粉付け

枝整理

パッションフルーツの開花は、とてもユニークです。上のほうが少し白くなった蕾は午前9時半になると複数の花が一斉に開き始めます。この開花時間は雨の日と晴天の日では多少変わりますが、ほとんど9時半前後です。そして9時50分までには当日咲く予定の全ての花が満開になってしまいます。開花のスピードも凄く速く、開き始めて約2分間ぐらいでほぼ満開になります。 花はとても良い香りがします。沢山咲くと辺り一面にほのかな透き通るような香りがします。開花から30分ぐらい経過して花粉が乾くと受粉し易くなるのですが、ミツバチ等を使って確実に受粉させるのは困難な為、筆先や指の先で雄しべから花粉を取って雌しべにくっ付けるやり方で人工受粉をしますが結実率は90%ぐらいです。これが本当に大変な作業です。

5月末 収穫始め

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受粉は夕方15時ぐらいまでに実施したほうが確実です。遅くなると極端に率が下がってくるようです。これは多分日中におしべが乾燥し花粉が飛んでしまい受粉が難しくなるからだと理解しています。また雨の日の受粉はほとんど成功しないようです。花が咲く時期には1ヶ月の周期があるのですが、結実が多くなり果実の生育に植物が対応し、実がある程度育つとまた花芽が付いて開花するようです。ただ一日中気温が30度を超えると花芽が付かなくなります。したがって5月、6月、7月初旬が開花に適しています。

6月~8月 収穫

天候や株の栄養状態によっても異なりますが、パッションフルーツの成長スピードは凄まじい早さです。但し、他の農作物に比べて水の補給が充分でないと成長が遅れてしまいます。その点は、とてもデリケートな果物です。

9月 片付け作業&苗の植え替え準備

10月の苗の入れ替えに向けて、準備を始めます。全ての苗を入れ替える為既存の苗を片付けていきます。

パッションフルーツの栽培に適した地域 奄美大島.2

御皇室献上トケイソウの産地奄美大島

パッションフルーツを生産する地理的なアドバンテージ

渡邊さんのパッションフルーツ農園は奄美大島で最も降水量の多い地域。マングローブ森林で有名なこの住用村と言う地域は非常に降水量が多い為、山からミネラルを含んだ山水が沢山流れてくるんです。 その為、フルーツの中でも特に水を欠かすことが出来ないパッションフルーツを栽培するには最も適した地域なんです。豊富なミネラルを含み、沢山の実が詰まった最高のパッションフルーツを栽培する事が出来るんです。住用村で育った農作物が、他と比べて美味しいと言う事は奄美大島の人なら誰もが知っている周知の事実。パッションフルーツは近年人気が急上昇している為、昨年(2009年)奄美大島ではパッシンフルーツ品評会が行われました。そこで、堂々の金賞を受賞されたのが、当店が契約している渡邊さんのパッションフルーツ、紫極玉(しぎょくのたま)となります。栽培に最も適した地域で、更に金賞を受賞されたパッションフルーツですから、本当に美味しいですよ。海に囲まれた小さな島である亜熱帯地域の奄美大島は、昼と夜の温度差があり、他地域に比べて、日照時間も長く、夜は涼しく、日中もカラットしています。その為、湿度が低く果物に病気が入り難い地域なんです。 奄美大島はタンカンでも有名ですが、パッションフルーツは日本で一番の原産地であり、現在でも皇室への献上果物として認定されているフルーツです。。日本天然記念物となっている珍しい生き物も未だに多数生息している事から考えても、パッションフルーツに限らずですが、果物や農作物の栽培にはとても適した地域なんですね。 沖縄なども有名ではありますが、日差しが強すぎても果物の表面が焼け易くなる事と、ハウス内の温度管理が非常に難しくなる事。湿気が多いと果物に病気は入り易くなる事から考えても、奄美大島は果物の栽培には本当に適した地域なのです。見事金賞を受賞した紫極玉(しぎょくのたま)を是非お試し下さい。